「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方


駒崎 弘樹 著 / 英治出版


元学生ITベンチャー社長が病児保育を目的としたNPO(特定非営利活動法人)を立ち上げて軌道に乗せ、社会起業家としての成功の第一歩を踏み出すまでのドキュメンタリーです。

  • プロローグ
  • 第1章 学生でITベンチャー社長になっちゃった
  • 第2章 「社会を変える仕事」との出会い
  • 第3章 いざ、「社会起業家」!
  • 第4章 大いなる挫折
  • 第5章 世の中のどこにもないサービスを始める
  • 第6章 「地域を変える」が「社会を変える」
  • エピローグ

最初の紹介文だけ読むと非常に格好良く思えるでしょう。
事実、NPOの運営にビジネスの手法を取り入れた手腕や社会貢献の実績は賞賛に値するのですが…
本書で描かれる著者自身の姿はとことん三枚目に徹しており、自身の情けなさっぷりや失敗の数々が自虐的に面白おかしく語られています。
成功者の自伝にありがちな自らを飾る態度は微塵も無く、恥も外聞もかなぐり捨てた開き直りっぷりは必見です。
一方で社会起業の入門書として非常に得難い貴重な体験談に溢れており、社会起業を目指す者のみならず多少なりとも社会問題に関心のある者にとって大いに示唆に富んでいます。
行間からさりげなく見え隠れする理不尽な行政に対する怒りにも共感を覚えます。
ともあれ、単なる読み物としても十分にる楽しめるので是非お勧めです。

「社会を変える」を仕事にする――社会起業家という生き方

「社会を変える」を仕事にする――社会起業家という生き方