Twitterの衝撃 140文字がビジネスからメディアまで変える

TWITTERの衝撃

TWITTERの衝撃

またまたTwitter本です。今回は各界の第1人者10人による書下ろしやインタビュー記事をまとめたものになります。

  • はじめに
  • ひと目でわかるTwitterの基礎知識
  • 第1部 コミュニケーションを変える
    • 第1章 Twitterとは何か?
      枝 洋樹 DGインキュベーション 投資・事業開発本部 マネージャー
      • 伝播力に優れたリアルタイムの新しいメディア
      • “ユルさ”が情報交換を発展させる
      • 百四十文字の“気軽さ”が投稿頻度を高める
      • Twitterの原点はリアルタイム配車システム
      • オバマ米大統領がブレイクのきっかけに
      • ユーザーと外部開発者がTwitterを育てる
    • 第2章 Twitter×iPhoneが切り開く新情報時代
      林 信行 ITジャーナリスト
      • レリバンシーが重要になる時代
      • 重要情報を絞り込む「時間軸」
      • 親密性の高さが重要に
      • iPhoneと共に現れた三つ目の軸
      • 本命のニュースリーダー
      • ぬくもりのある検索エンジン
      • 転換点となったハッシュタグの登場
      • 進化し続けるTwitter型ものづくり
  • 第2部 メディアを変える
    • 第3章 既存メディアを脅かす個人ジャーナリズム
      小林 弘人 インフォバーン CEO
      • 誰もが参加できるジャーナリズム時代
      • 換金化の仕組みが課題
      • 情報の死、編成の死
      • 改めて浮き彫りになるプロのすごさ
      • マーケティングツールとしてのTwitter
      • サポートツールとしてのTwitter
    • 第4章 プロと素人の差を縮める属人的メディアの誕生
      津田 大介 ジャーナリスト
      • Twitter中継は日本語から日本語への翻訳
      • プロでも素人でも百四十文字なら差がつきにくい
      • 二時間の議論を五分で読める優位性
      • 面白さの理由は文字に制限、フォローは自由
      • 売名に効果的かつ批判を受けやすいメディア
      • 個人のつぶやきが面白い属人的メディア
      • 朝日新聞のサッカー中継が「最高」と評された理由
      • 人間の面白さとつまらなさがわかってしまう
    • 第5章 同時多発の声が生む「信仰」
      武田 徹 評論家、ジャーナリスト
      • 「9・11」でブログがメディアに
      • 検閲を通らなければ真実、なのか
      • サラーム・パックスは実在していた?
      • 「声の力」という、“麻酔効果”
      • 重要なのは報道の信頼性
  • 第3部 仕事を変える
    • 第6章 Twitterが未来の会社を象徴する
      高須賀 宣 サイボウズ 創業者
      • 仕事の生産性を上げるツール
      • 大量の情報からコンテキストが見えてくる
      • 品質よりも価値が優先されるサービス
      • 企業/個人向けの区別はもはや意味がない
      • Twitterを通して自分を英語で表現する
    • 第7章 ベンチャーを支えるツール
      岡野原 大輔 プリファードインフラストラクチャー 特別研究員
      • 反応を強制しないツール
      • ユーザーが増えると面白みが増す
    • 第8章 仕事にTwitterを駆使するiPhoneアプリ開発者
      片瀬 京子 ライター
      • 開発者の情報交換にTwitterを駆使
      • アップルの審査情報を交換
      • ユーザーサポートや協業もTwitter
      • iPhone開発者に愛される理由
  • 第4部 Twitterの今後
    • 第9章 Twitterを支える技術の現在と将来
      高橋 秀和 日経BP社 ITPro 記者
      • 立ち上げはRuby on Railsで素早く
      • ハードウェアは意外にこじんまり?
      • クラウドサービスでスケーラブルに
      • イコン画像は日本にキャッシュが存在
      • オバマ大統領就任式を前に刷新
      • ネットワークはNTT米国法人と提携
      • フォロー数の上限などでシステム負荷を調整
      • 十億の鼓動を支える基礎が整う
      • Twitterの機能を使ったサービスを生むAPI
    • 第10章 Twitterの将来を見通す6つの視点
      亀津 敦 野村総合研究所 情報技術本部 技術調査部 主任研究員
      • 視点1 ソーシャルハブとしてのTwitter
        オープン化が後押しする
      • 視点2 ライフログへの進化
      • 視点3 Twitterが先導するリアルタイムウェブ
      • 視点4 マーケティングでの活用
      • 視点5 情報管理が課題に
      • 視点6 企業向けのソーシャルソフトウェアに拡大
  • Twitterに関する主なできごと

著者それぞれに視点が違うため一冊の本としてのまとまりに欠ける印象はありますが、単なる礼賛にとどまらない意見も併記されているのは評価できます。
第5書の武田氏による、ウェブメディアの信頼性に関する問題提起は、目新しさこそ無いものの忘れてはならない問題だと思います。
第4章の内容は同じ津田氏の著書「Twitter社会論」と被っているものが多いのが残念ですが、出版時期に殆ど差が無いことを考えると致し方ないでしょうね。
個人的には第9章の容赦ない技術論が一番楽しめましたが、エンジニアではない読者にとってはどうでしょうか…
紙面の都合からか、各章のボリュームには物足りなさを感じますが、Twitterというサービスについて色々な視点から俯瞰してみるという点ではよく出来た構成です。
良書ですが、賞味期限は短そうですので、興味がある方は早目に読んでおくことをお勧めします。