イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)

イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)

ハーバード・ビジネス・スクール教授のクレイトン・M・クリステンゼンの著。
業界をリードする大手企業が新興企業との競争に敗れ、衰退していく原因についての考察です。

  • 日本版刊行にあたって
  • 謝辞
  • 序章
  • 第一部 優良企業が失敗する理由
    • 第一章 なぜ優良企業が失敗するのか―ハードディスク業界に見るその理由
    • 第二章 バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激
    • 第三章 掘削機業界における破壊的イノベーション
    • 第四章 登れるが、降りられない
  • 第二部 破壊的イノベーションへの対応
    • 第五章 破壊的技術はそれを求める顧客を持つ組織に任せる
    • 第六章 組織の規模を市場の規模に合わせる
    • 第七章 新しい成長市場を見いだす
    • 第八章 組織のできること、できないことを評価する方法
    • 第九章 供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル
    • 第十章 破壊的イノベーションのマネージメント―事例研究―
    • 第十一章 イノベーションのジレンマ―まとめ―
  • イノベーションのジレンマ』グループ討論の手引き
  • 解説
  • 訳者あとがき

かつて衰退した大企業は、技術革新を怠ったのでも過度にリスクを恐れたのでもなく、自らの顧客の声に真摯に応えて技術革新に注力したが故に、従来とは異なる価値を持った新技術への対応が遅れ、結果的に競争に敗れてしまったと分析されています。
豊富な実例に基づいた客観的な分析は説得力があり、読み応え十分です。
第一章で取り上げられたハードディスク業界の分析については、一ユーザとして様々なメーカーの隆盛と衰退を目の当たりにしてきたこともあり、興味深く読み進めることができました。
第二部についてはやや具体例に乏しく消化不良の感もあり、続編の「イノベーションへの解」に期待したいと思います。