PILOT VORTEX


PILOTの低価格万年筆、VORTEX(ボーテックス)です。(本体価格定価1,500円)
収納時の全長は126mmと非常にコンパクトです。

胴軸はシルバー塗装の樹脂、キャップも透明な樹脂製。ラバー張りの首軸が特徴です。
尾栓、クリップのワンポイントに、ラバーと同色に着色された半透明の樹脂が使用されており、デザイン上のアクセントになっています。
私が持っているのは黒ですが、他にもカラフルなカラーバリエーションが存在します。(黒を含め全8色)
低価格な万年筆は嵌合式のキャップが主流ですが、VORTEXはスクリュー式になっています。

ペン先はステンレス、字幅はFとMの2種類です。(写真はF)

写真では判り辛いですが、LAMY サファリと同じようにニブがペン芯にしっかり嵌め込まれています。

更に、ペン先の根元は首軸に覆われるように保護されています。
ニブが内と外からがっちり固定されているため、かなり強い筆圧をかけてもペン先のしなりや変形は殆どありません。
万年筆に不慣れな初心者が使うことを想定してこのような構造になっているのでしょうか。

筆記時は十分な全長が確保できます。
キャップを尻に嵌め込むと「パチン」と小気味よい音がしてしっかりと固定されます。

とはいえ、やはり短いですね。
カスタム74との比較です。
書き味は予想以上に滑らかです。
他のパイロット製品と同様、インクフローは潤沢で非常に安定しており、書き出しのかすれや筆跡の途切れもまったくありません。
比較的乾燥にも強く、数分間筆記の手を休めても、筆記再開時の書き出しがまったくかすれません。
インク供給はカートリッジ式です。
コンバーター(CON-20とCON-50)は問題なく装着できますが、ペン先が首軸に埋もれているため吸入が難しいようです。
また、ラバー部にインクが付着すると落ちにくいので吸入の際にはかなり気を使います。
コンバーターの使用はあまりお勧めしません。
私は、空カートリッジにスポイトでボトルインクを充填して使っています。
値段の割りに非常に出来の良い万年筆ですが、細かな不満点もあります。

  • ちょっと軽過ぎる。もう少し重量感が欲しい。
  • キャップの開閉には3回転半が必要で、開閉にややもたつく。
    ちなみに、一般的な万年筆は2回転程度が主流。
  • キャップと首軸のネジ山の遊びが大きく、開閉時にビビリ音が発生することがある。

とはいえ、不満点を補って余りある書き味ですので、日常的によく使っています。
安物の筆記具と一緒にペンケースに放り込んで持ち歩ける手軽さも気に入っています。
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