ビスコンティ オペラ マスター デモ レインフォレスト

ここ数日引っ張ってきたネタですが、そろそろ本格的に行きます。

今年はビスコンティ独自のインク吸入方式「ダブルタンク・パワーフィラー」の特許取得10周年にあたります。
同社の代表的モデルであるオペラに同機構を搭載したデモンストレーターモデルが「オペラ マスター デモ」です。
(オペラの通常モデルはカートリッジ・コンバーター両用式です)


888本限定生産で、シリアルナンバーが記載されたIDカードが付属しています。

過去に発売されたオペラの限定モデルでは、トラベルインクポッドとのセットであったりインクボトルが付属していたりしましたが、今回は残念ながらペン本体のみで付属品は一切無し。

インク吸入機構がよく判るよう、クリアボディとなっています。
素材はビスコンティ独自のアクリル樹脂とセルロイドの複合素材、「アクリドイド」です。
透明なアクリル樹脂をベースに、マーブル状にセルロイドが配合されています。
緑と青を中心とした美しいカラーリングは、熱帯雨林を意味する「レインフォレスト」と名付けられています。
他にも、クリアブルーとクリアレッドブラウンのモデルも存在するようですが、現在国内で販売されているのはレインフォレストのみです。

首軸と尻軸はプラチナコート仕上げ。
長さ・太さ共に通常のオペラより二周り程大きくなっています。
収納時の全長約15.5cmは、モンブラン149より長い超大型クラス。
総重量は通常版オペラの約1.5倍の60gに達します。ちなみにキャップだけで約20g、本体が約40gです。
特殊な素材を使用したグラフ・フォン・ファーバーカステルのペン・オブ・ザ・イヤーシリーズよりは軽いですが、一般的な万年筆と比較すればかなりの重量です。

ニブは18金ベースにロジウムコートが施されたバイカラー仕上げ。三日月形のハート穴が特徴的です。
同じくオペラベースの限定品、「アイーダ」と同じニブが使用されているようです。
仕事用の万年筆には実用性を重視して国産の細字を愛用していますが、今回ばかりは思いっきり趣味に走ってBニブを選択しました。
(大量のインクを吸入できるので、Fニブだとインクを使い切るのに苦労しそうだというのも理由の一つです)

クリップはアーチ状の橋を象ったおなじみのデザイン。根元にバネが仕込まれていて軽い力で開閉できます。
キャップは一般的なスクリュー式ですが、開閉に必要な回転数は約1.5回転と少な目です。
前述の通りキャップだけでも20gもありますから、1.5回転といえどもかなり重厚感のある操作になります。

限定品のシリアルナンバーはキャップリング刻印されていることが多いのですが、これは尻軸に施されています。
この尻軸こそ、大量のインク吸入を可能にしたダブルタンク・パワーフィラー方式の要になるパーツなのです。
次回はそのインク吸入機構を紹介します。