部下の仕事はなぜ遅いのか


日垣 隆 著 / 三笠書房


部下には恵まれているほうなので、部下の仕事の遅さに悩まされることは少ないのですが…
なかなか刺激的なタイトルなので手にしてみました。

  • 第1部 ラクして部下を育てる技法 講義編
    • 近道はレシピの入手にあり!
    • 「デキる」上司のコーチング!
    • プロセスの中でパーツを見よ!
    • 一発で完成品を!
  • 第2部 もっとラクして部下を育てる 討論編
    • はじめに
    • 「面白さ」を教える技法
    • 部下を成長させる技法
    • もっとラクするための技法

第1部は著者の過去の講演等の内容を再整理したもの、第2部は様々な分野で部下を指導・育成している人達との座談会形式になっています。
第1部はそれなりに読み応えも有り興味深い内容ですが、第2部は重複する内容も多く水増し感が否めません。
主なポイントとしては以下のようなことでしょうか。

  • 部下の仕事が遅いのは上司の指示が曖昧なのが原因。
    感覚的・観念的な指示ではなく、具体的な指示が重要。
  • 多くの仕事はルーチンワークであり、やり方はマニュアル化できる。
  • 上司による部下のコーチングは目標達成が本来の目的であり、部下の成長が目的ではない。
    コーチングのためのコーチングに陥らず、本来の目的のためにエネルギーを費やせ。

更に、場合によっては部下を切ることが双方のためでもあると述べています。
個々の職場の事情によっては全て額面通りに従うわけにも行きませんが、多少なりとも活かせるのではないでしょうか。
少々物足りない点はありますが、ビジネス書としては標準レベル以上の出来だと思います。

部下の仕事はなぜ遅いのか

部下の仕事はなぜ遅いのか