統計学:Rを用いた入門書
- 作者: Michael J.Crawley,野間口謙太郎,菊池泰樹
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2008/05/08
- メディア: 単行本
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様々な統計処理のための解析環境、統計に特化した数多くの組込関数、高機能なグラフ機能を備えています。
本書は、タイトルの通り、このR言語を用いて統計学の理論を学ぶための入門書です。
元々は大学の講義に用いることを想定して書かれた教科書的なもののようです。
- まえがき
- 訳者まえがき
- 第1章 基本
- 第2章 データフレーム
- データフレームの一部分を選択する:添字選択
- ソート(並べ替え)
- 作業の保存
- 後処理
- 第3章 さまざまな中心値
- Rでヘルプを用いる
- 第4章 分散
- 自由度
- 分散
- 例題
- 分散と標本数
- 分散を用いる
- 非信頼度の指標
- 信頼区間
- ブートストラップ
- 第5章 1標本データ
- 第6章 2標本データ
- 第7章 統計モデル
- 第8章 回帰
- 第9章 分散分析
- 第10章 共分散分析
- 第11章 重回帰
- 第12章 対比
- 対比係数
- Rでの対比の取扱い例
- 事前対比
- 段階的に減少させるモデル単純化
- 対比平方の和の手計算
- 3種類の対比の比較
- 別名表記
- 共分散分析モデルでの母数と対比
- 多重比較
- 第13章 計数データ
- ポアソン誤差を仮定した回帰
- 計数データの逸脱度分析
- 分割表のもつ危険性
- 計数データにおける共分散分析
- 頻度分布
- 第14章 比率データ
- 1標本あるいは2標本比率データの解析
- 比率としての計数データ
- オッズ
- 過分散と仮説検定
- 応用
- 2項誤差を仮定したロジスティック回帰
- カテゴリカル型の説明変数を複数個もつ比率データ
- 2項データの共分散分析
- 第15章 死亡および故障データ
- 打切りをもつ生存解析
- 第16章 2項応答変数
- 発生関数
- 2項応答変数の共分散分析
- 付録 R言語の基礎
- 電卓としてのR
- 変数への代入(付値)
- 反復の生成
- 要因の水準の生成
- グラフィクス表示の変更
- ファイルからのデータの読込み
- Rにおけるベクトル関数
- 添字選択:ベクトルの部分抽出
- 論理式と添字選択
- 配列の添字選択
- リストの添字選択
- Rにおける関数の記述
- 並べ替え(ソート)と順序付け
- 配列の中の要素の数え上げ
- tapply関数
- cut関数を用いて連続型変数をカテゴリカル型変数へ
- split関数
- 格子プロット
- xyplot関数
- 3次元プロット
- 行列演算
- 線形方程式の解法
- 参考文献
- 索引
統計処理に必要な複雑な計算を全てR言語の関数で処理することで、読者は統計理論を学ぶことに集中できます。
数学的知識についても、理系の高校数学レベルで事足りました。
理論の習得と同時にR言語による処理実装の実例も得ることが出来るため、極めて実戦向けの内容と言えます。
また、文章も平易で判りやすく、更には技術書の翻訳にありがちな日本語として破綻した文章は殆ど見受けられません。
原著、翻訳共に質が非常に高いと感じました。
なお、末尾の付録にR言語の基礎的な解説がありますので、R言語に関する知識がない方はまず付録に目を通すことをお勧めします。
但し、R言語に関して本書で触れられている内容は必要最低限+α程度ですので、本格的にRを活用するのであれば別の参考書やネット上の情報を参照する必要があります。
数学は得意ではないけれど統計学を学びたい方、とにかくすぐに実戦で使える知識を身に付けたい方には文句無くお勧めの1冊です。