知的生産の技術
- 作者: 梅棹忠夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1969/07/21
- メディア: 新書
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発行は1969年ですが、元になった雑誌連載は更にその5年前に執筆されています。
所謂「ライフハック」との祖とも呼べる、知的生産活動の効率化に関するバイブル的存在です。
ライフハッカー御用達の技術の多くが、40年以上前に既に確立されていたと言うのも驚きです。
- まえがき
- はじめに
- 学校はおしえすぎる
- やりかたはおしえない
- 技術の不足と研究能力
- 技術ぎらい
- 知的生産とは
- 情報産業の時代
- 生活の技術として
- 現代人の実践的素養
- 物質的条件の変化
- 個人の知的武装
- この本のねがい
- 1 発見の手帳
- ダ・ヴィンチの手帳
- わかき「天才」たち
- 発見の手帳
- 文章でかく
- 有効な素材蓄積法
- 発見をとらえる
- 手帳の構造
- 一ページ一項目
- 索引をつくる
- 2 ノートからカードへ
- 3 カードとそのつかいかた
- カードのおおきさ
- 紙質と印刷
- もってあるく
- わすれるためにかく
- 一枚一項目
- 分類が目的ではない
- 歴史の現在化
- 有限への恐怖
- カードへの批判
- 4 きりぬきと規格化
- はじめてのきりぬき
- スクラップ・ブック
- 台紙にはる
- しわけ棚からオープン・ファイルへ
- 資料を規格化する
- 先輩のおしえ
- むつかしい写真整理
- 市販品と規格化
- 規格品ぎらい
- 5 整理と事務
- 6 読書
- よむ技術
- よむこととたべること
- 本ずきのよみべた
- 「よんだ」と「みた」
- 確認記録と読書カード
- 読書の履歴書
- 一気によむ
- 傍線をひく
- 読書ノート
- 本は二どよむ
- 本は二重によむ
- 創造的読書
- 引用について
- 7 ペンからタイプライターへ
- 日本語を「かく」
- 筆墨評論家
- 鉛筆から万年筆へ
- かき文字の美学と論理学
- タイプライターのつかいはじめ
- 手がきをはなれて
- ローマ字論の伝統
- ことばえらびとわかちがき
- 文字革命のこころみ
- きえた新字論
- ローマ字からカナモジへ
- カナモジ論の系譜
- カナモジ・タイプライター
- カナモジへの抵抗
- ひらかなだけでかく
- ひらかなタイプライター
- 改良すべき問題点
- 8 手紙
- 情報交換の技術
- 手紙形式の収れんと放散
- 形式の崩壊
- 手紙ぎらい
- 形式再建のために
- あたらしい技法の開発
- タイプライターがきの手紙
- まちがいなくきれいに
- 手紙のコピー
- 住所録は成長する
- アドレス・カード
- 9 日記と記録
- 10 原稿
- 他人のためにかく
- 訓練の欠如
- 印刷工事の設計図
- 出版・印刷関係者の責任
- ルールは確立しているか
- 原稿は原稿用紙にかく
- 原稿用紙
- 原稿から印刷へ
- わかちがきと原稿
- 印刷技術をかえる
- 清書はいらない
- かならずコピーする
- 11 文章
- 失分症
- 行動家の文章ぎらい
- 才能より訓練
- かんがえをまとめる
- こざね法
- ばらばらの資料をつなげる
- 発想の体系手技術
- みじかくわかりやすく
- 用事・用語の常識
- 日本語は非論理的か
- 文章技術の両極
- 国語教育の問題
- おわりに
- 技術の体系化をめざして
- 情報時代のあたらしい教育
流石に40年以上前の状況に基づいていますので、今となっては直接の参考にはならない項目も少なからずあります。
例えば7章や8章の内容は、ワードプロセッサーとE-Mailの登場により前提が大きく変わってしまっています。
しかし、本書は単なるハウツー本ではなく、結論に至るまでの著者の思考の過程を追体験し、そこから知的な刺激を受けることにこそ意義があると考えます。
もし本書が今書かれていたとすればどのように記述が変わるのかを自分なりに想像するのも面白いと思います。