サクラクレパス SLIMO

競争の激しい5機能ペンに、意外な伏兵サクラクレパスが参入です。
細軸で全長も短く携帯しやすいのがセールスポイントのようです。

カラーバリエーションはオレンジ、レッド、ブルーの3色。写真はオレンジです。
黒やシルバーなどのシックな色を揃える他社とは対照的なラインナップです。

重量は約14.2g、全長145mm、直径12mmです。
ゼブラのClip-on multiシリーズ、パイロットの4+1シリーズ、三菱鉛筆ジェットストリーム4&1と比較して、最軽量・最短・最細です。
看板に偽りはありません。

クリップの形状は何となくペリカンに似ています。パイロットの4+1シリーズに近いデザインです。
5機能ペンのお約束で、シャープペンシルのノックレバーを兼ねています。

横から見たところ。板バネ等は内蔵されておらず、樹脂の弾力に頼った構造です。
ノックは軽く、クリップも滑りにくいので、シャープペンシルのノックは比較的スムーズでした。

ボールペンの切り替えレバーの配置は、クリップを上にして反時計回りに黒、青、緑、赤の順です。
パイロットや三菱鉛筆と同じ配置で、ゼブラとは青と赤が逆になっています。

消しゴムも内蔵されていますが、キャップを固定する突起が小さいのでキャップが外れやすく、紛失が心配です。
5機能ペンの消しゴムキャップは他社でも外れやすいものが多いのですが、SLIMOの場合は特に外れやすいと感じました。

取り敢えず簡単にばらせる範囲で分解してみました。
首軸と口金は一体成型のようです。
グリップ部のラバーもしっかり接着されていて取り外せませんでした。
軸径が小さいので手帳等の細いペンホルダーに挿すのに都合が良さそうですが、グリップにラバーが貼られているので引っかかってしまいます。
折角の細軸を最大限に活かすためには、グリップはラバー貼りでないほうが良かったのではないでしょうか。
個人的に残念なポイントの一つです。

リフィルは全長約90mmで、パイロットの4+1シリーズや三菱鉛筆のSTYLE-FIT用のリフィルと殆ど同じ長さです。
しかし、直径は2.4mmで他社よりかなり細くなっています。(他社の多機能ペンは3mm前後)
細軸が実現できたのは、この細いリフィルがあってこそだと思われます。
多機能ペンでは他社製のリフィルを流用して改造するのが楽しみの一つなのですが、互換性が無い細いリフィルが使われているのは非常に残念です。
駄目元でSTYLE-FIT用のリフィルが使えないか試してみましたが、無改造では装着できませんでした。
改造するにしても、リフィルの根元を高精度で細く削るのは難易度が高そうです。

肝心の書き味ですが、国産油性ボールペンとしては極めて標準的で、可も無く不可も無く、といった印象でした。
書き出しの掠れは少なく、ダマもあまり気にならないので、実用性は十分です。
改造によるゲルインク化に拘りが無く、軽量・細軸に魅力を感じるのであれば、良い選択肢になると思います。

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