サンフォード ノンブロット インクペンシル

行きつけの文房具店で珍しい鉛筆を発見したので捕獲してきました。

サンフォード ノンブロット インクペンシル。
芯にアニリン(染料)が練り込まれており、書いた直後は消しゴムで消せますが時間が経つとアニリンが吸湿して発色し、消せなくなると言うもの。
更に、この鉛筆で書いた紙の上に濡れた紙を重ねて押し付けると、染料が転写されて簡易コピー(鏡文字ですが)にもなると言うものらしいです。
19世紀末の発明らしいのですが、今では絶滅寸前の筆記具とか。

“A BOTTLE OF INK IN A PENCIL”と刻まれています。
インクボトル1本が鉛筆の中に入っていると言う意味でしょうか。

鉛筆の端は金属のキャップで覆われています。
恐らく吸湿防止、或いは水濡れ対策と思われます。
芯に水が直接触れると、染料が溶け出してしまうとのこと。
書き味ですが、一般的な鉛筆よりやや芯に粘り気を感じます。
黒鉛芯の鉛筆と色鉛筆の中間的な印象です。
引っ掛かりの少ない滑らかな感触で、意外と悪くありません。
さて、肝心の「時間が経つと消せなくなる」効果ですが、数時間程度ではあまり変化がなく未検証です。
書いた直後でも薄っすらと紫のあとが残ったり、消したはずの筆跡が時間が経つと浮き出してきたり、今一つ安定しません。
もう少し時間をかけて様子を見てみようと思います。
蛇足ですが、サンフォードといえばパーカー、ロットリングウォーターマンなどの老舗筆記具メーカーを傘下に収める世界最大規模の筆記具メーカーです。
サンフォード自身のブランドを冠した製品はあまり見かけないのですが、こんなレトロな物も作っていたんですね。