パーカー インシグニア マルチファンクション − ジェットストリームFシリーズ に期待していたもの

先日発売されたジェットストリームFシリーズは質感の面でやや期待外れでしたが、発表当初に「回転繰り出し式の多色・多機能ペン」と聞いて思い浮かべたのがクロス テックスリーとパーカー インシグニア マルチファンクションでした。
どちらも細身の多機能ペン(BP2色+MP)で、特にインシグニアは軸径9mmの多機能ペンとしては非常に細身のペンです。

パーカー製品の常で、シリーズ毎に作られた専用のケースが用意されています。

ケース本体はずっしりと重く、艶消しで質感も高いものです。

中身はシンプル。ペン本体のみで、付属品等は特に無し。
インシグニア マルチファンクションには4色のカラーリングが存在します。
このメタリックブルーCTは深い藍色のラッカー仕上げです。

中蓋の下には説明書兼保証書のみ。

前述の通り、非常に細身のペンです。
金属軸にラッカー仕上げの、深い色の美しい塗装です。

特徴的な矢羽根のクリップ。
現行のパーカー製品の矢羽根クリップは複数の形状が混在していますが、インシグニアのクリップはオーソドックスな形状です。

ボールペンのリフィルは一般的な4Cタイプ。
軸径9mmという細身が実現できたのは、金属軸の本体と4Cリフィルのおかげでしょう。

一応消しゴムも付いています。


リフィルの繰り出しや切り替えは回転式、 MP(シャープペンシル)芯の繰り出しはノック式です。
回転時のクリック感はかっちりとしており、MPのノック時のガタ付きも軽微です。
多色・多機能ペンはどうしても軸とリフィルの中心線がずれるため繰り出し時にリフィルが斜めに傾いてしまいますが、インシグニアでは細身ゆえに中心線のずれが少なく、リフィルの傾きがあまり気になりません。
金属軸のため細身ながらしっかりとした重量感があり、塗装の質感も申し分ありません。


ジェットストリームは油性ペンの常識を覆す滑らかな書き味を実現しましたが、残念ながら軸本体の質感ではまだまだ満足の行くものは発売されていません。
画期的な低粘性インクを開発した技術力は高く評価できますが、ボールペンの評価はリフィルだけで決まるものではありません。
折角の高性能インクの書き味を十分発揮できるような、高品位な軸を是非作っていただきたいと思います。
若しくは、他社の軸を活用できるよう、4Cタイプやパーカー互換のような汎用的な形状のリフィルも作って欲しいものです。

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